短い夏を精一杯謳歌する周囲のフィンランド人に刺激されて、そうだ、もっと旅をしよう!と思い立ち、古都タリンに二泊三日の旅行に行き、調子に乗って翌週にはオペラ祭りが開催されるお城Olavinlinnaで有名なSavonlinnaに行ってきました。
ホームのタンペレからは、列車を乗り継いで片道5時間半程度の旅。日帰りも不可能ではありませんが、せっかくなので一泊してゆったりの旅行に。
タンペレからいったんヘルシンキ近郊まで出て、そこから特急列車でロシア国境に近いパリッカラまで行って1両編成のローカル線に乗り換え、湖を縫うようにしてサボンリンナに到着しました。
オペラの時期や8月半ばくらいの夏のハイシーズンまでは結構混んでいるそうで、お城に入るのにも長蛇の列ができるらしいです。私が行ったときは既にオフシーズンの始まり(?)で、観光客もごくわずかでした。
宿はお城の目の前で、庭からの城の眺望が売りのコテージ。広々とした庭にカフェがありますが、あいにく夜は営業しておらず、食事もアルコールも出していませんでした。その代わり、部屋には小さなキッチンも冷蔵庫も完備しているので、徒歩数分のスーパーで食材を買ってきて自炊することも可能です。
どこかレストランが開いているかと思ったのですが、オフシーズンでどこも空いておらず、スーパーでつまみとビールを買ってきて,夜の城を眺めながら庭でゆったり飲みました。
宿について唯一失敗したのは、HPに出ているホットタブは共用ではなく、いちばん端の部屋専用なんだそうで、あいにく先客がいたので使えませんでした。
翌朝、朝食前に散歩に出掛けました。鉄橋を渡り、城をもっとも間近で見られる岩から見る城は朝日にうっすら染まりきれいでした。目を覚まして部屋から覗いたときには、水面にもやが立ち、とても幻想的な風景でしたが、写真に収めなかったのが悔やまれます。
朝食はシーズン中は庭のカフェで供されるようですが、オフシーズンなので宿のもっとも古い建物で。19世紀後半の建物を改装したものだそうです。キッチンで提供されているビュッフェ形式の朝食は、有機食材を使った手作りのものばかり。
ゆったりと食事を済ませ、城より1時間早く開館する市の博物館を参観。市の歴史や環境がわかりやすく展示されていました。ここのショップではお城のミニチュアが売っていたのですが、どうせ城のショップにもあるだろうと思って見送ったら城では売っておらず、戻ってきて買いました。
城のツアーは8月いっぱいは毎時スタートとなっていました。城の中を解説しながらぐるっと案内してくれます。後でもう一度自分で巡ろうとしたら途中で呼び止められ、ツアー以外では一部を除き自由に巡ることはできないらしいです。そうならそうと、ちゃんと言ってよ。ずいぶんと写真取り損ねたよ。
城の塔からロッジを見下ろす。観光名所「迷物」のコイン。落下して下にいた客の眼鏡が割れたという事故もあったそうです。
塔の上には生活空間もあり、かまどやトイレも完備。この突き出た部分がトイレ。ちなみに、この塔の土台部分にむき出しになっている岩盤は、城の土台になっている岩盤そのもの。
西洋便座の元祖とも言える、木製の板に丸くくりぬかれた穴。ここに座って用を済ませます。
これが便座を受けからのぞき込んだ様子。排泄されたものは塔の遙か下の方に落下していき、自然に処理されるという仕組み。落下していく様を見てみたい。ツアー客に見られてするわけに行かないから、こういうところで、コイン落としを有料でやらせたら稼ぎになるのに。
こちらは、城の内部に設けられた、現在使用されている観光客向けのトイレ。
城の中庭に設置されたテント。中には2000人収容の客席とステージ。ここでオペラフェスティバルが開催されます。このテントは夏が終わると撤去されるそうです。そうすると、中庭全体が見渡せるようになります。
列車の時間は昼過ぎだったので、のんびり土産物屋を冷やかしたり、旧市街や大聖堂を見て回ったりして時間を過ごし、駅近くの有名レストランで食事。
湖畔の水浴場に設置された更衣ボックス。オシャレ。
Savonlinna英雄の像という名前だったか。墓の年代から見て、内戦の戦没者のようでしたが、解説はありませんでした。甲を脱いでうつむいて捧げる像が印象的。
せっかくなので、帰りは往路とは違うルートで帰宅。