
フィンランド語を学習することになったきっかけから、これまでどんな学習をしてきたかについて書こうと思います。
そもそも2019年の最初の滞在に当たっては、ほとんど英語で事足りることもわかっていたし、当初はフィンランド語の学習はまったく視野にありませんでした。しかし、私と入れ替わりにちょうど米国留学から戻った娘の、「どうせ行くなら、フィンランド語を勉強しない手はない」という言葉に触発され、せっかくなのでフィンランド語も勉強してみようという気になりました。
研究のためのフィールドワークや、フィンランドの中学校、高校での授業観察などの合間に、市民大学で移民向けに夜間に開講されていたフィンランド語の入門コースを受講しました。それがフィランド語を本格的に学び始めるきっかけで、英語を補助的に使うものの、フィンランド語を使って上手に入門期の指導をしてくれる良い教師に当たったので、とても良いスタートが切れたと感謝しています。
受講生は、英米の英語話者はむしろ少数派で、差し迫って仕事や市民権を得るために学んでいる中東地域出身の人々の方が多数派で、他にもロシア人、エストニア人など、いろいろな母語を話す学習者から構成されたクラスでした。みなフィンランドでの生活に欠かせないものとして受講しているので、真剣そのものでした。この講座のことについては、別途書こうと思います。
帰国予定だった2000年3月頃には、世界的なパンデミックまっただ中になっていました。日本でも感染が広がり始めていて、航空会社に問い合わせると、数日先までのフライトは保証できるが、その後はまったく見通しが立たないという回答だったので、急遽日程を早めてアパートを引き払い、翌々日の便で帰国することになりました。まるで夜逃げ同然の帰国でした。
仲良しのMaricaらはわざわざアパートまで見送りの挨拶に来てくれてお別れしましたが、いずれまた来るので、そのときは家にホームステイさせてね、と話をしていました。
帰国してからは、DuolingoやDropsなどのアプリを使って毎日フィンランド語の自習を続けました。また、フィンランド大使館の中にあるフィンランドセンターが開講しているフィンランド語の講座も、季節ごとに開講されるたびに受講していました。
その講座の講師は、日本で唯一フィンランド語の専攻がある東海大学で長年教鞭を執っているお二人のRaija先生で、奥田先生と橋本先生なので、Raija O(ライヤ・オー), Raija H(ライヤ・ホー)、二人あわせてRaijat(tはフィンランド語の複数語尾)。日本人を相手に教える経験が豊富で、とても平易でゆっくりな発音で楽しくわかりやすい授業をしてくださったので、とても勉強になりました。ただ、Raijatが教室で展開する話を聞いていると、すごくフィンランド語ができる気分になるのですが、Yle(フィンランドの公共放送)やネットラジオなどを聞くと、わからなさに落胆したりします。それだけ、Raijatが使うフィンランド語のレベルを上手に調整して、生徒の反応を見ながら話してくれている、ってことなんだと思います。このあたりは、単に受講生としてだけではなく、同じ語学教師としても学ぶべきところが多い授業でした。
留学から戻ったら、また受講しようと思っています。