米軍新聞Stars and Stripesに掲載されたこの記事からは、米国とりわけ軍事関係者が今回の安保法制についてどう受け止めているかが読み取れて興味深い。
最初の段落によれば、来年度の国防予算では、まだ成立はしていないのに既に日本が同盟国つまり米国の支援をすることを見越した予算になっているという。
これまで手広くやり過ぎて厭戦ムードも広がり、経済的にも楽ではないところへ、同盟国日本が進んで支援を申し出てきたのは大歓迎なのだろう。
アベ内閣としては、既に「相当な時間を審議に費やし、丁寧な説明」をしたと言い張っているが、この記事の4段落目では、まだ法案は正式に成立しておらず、集団的自衛権が具体的にどの範囲におよび、どんな状況下で発動されるのかは、公に議論されてはいない、と指摘している。
アベさん、ここはきちんと講義申し入れて置いた方がいいんじゃないだろうか。国内メディアはアンダーコントロールでも、米国のは無理か。
米国議会で先走った勝手な約束の裏には、相当米国側と国防省とのやり取りがあったとみられ、この記事でも「安倍の安全保障に対する熱意はペンタゴンやホワイトハウスには広く受け入れられているが、日本国民の間ではまだ議論が分かれている」と伝えている。
記事では、Pew Research Centerの調査結果にも触れている。国会における安保法制の議論でも繰り返し言及されている、「海外からの邦人救出や、攻撃を受けている米国艦の護衛などの任務」(下注)については好意的に受け止められている一方、日本が地域でより積極的な軍事的役割を果たすことについては、肯定意見は23%に留まったという。
アベの野心としては、日本が積極的働きを果たしたいと思っているようだが、このあたりについてはやや内閣と米国側とでは、認識に差があるように感じる。
(注)国会の議論では、「邦人を助けようとしている米国艦が攻撃を受けても」のように言われるが、この記事の原文では、そのような記述にはなっていない。以下が相当箇所の原文:Polls show support for missions like helping defend a U.S. warship under attack or rescuing Japanese hostages abroad
http://www.stripes.com/news/pacific/us-defense-budget-already-counting-on-japan-self-defense-plan-1.346012