いつも今日こそ早く研究室を出て、などと妄想しながら、いつもの時間。疲れを癒やしに、ふくべへ。
ふくべの楽しみは、樽酒だけでなく、思わぬ人と隣り合わせになり、話が弾んだりすること。今宵の肴(失礼)は、元読売新聞記者で、現在83歳、ふくべでは先代からの古い常連様。
縄のれんをくぐるとカウンターは満席、裏のテーブル席で一本目をちびちびやっていると、カウンター席が空いたと案内があり、移動。
お隣のご老人は、ひとり酒を愛でながら時折うなずき、静かに飲んでいらっしゃる。そうっとしていると、あちらから話しかけてきてくださった。
読売と聞いて、ズケズケと「官邸の腰巾着みたいな政府広報に成り下がってていいんですか?」だの、「近頃記者が脚で集めた情報がないので、新聞を横並びで読んでもちっとも面白くない」なんて生意気なことを申し上げたら、「あんた、座ったときからただ者じゃない面構えだと感じたけど、思った通りだ」と大喜びしてくれて、大盛り上がり。
ついさっきまで隣には元読売新聞の同僚がいたんだが、体制派のその仲間とは意見が合わず、仲違いして分かれたのだとか。
さっさと切り上げるのも失礼だし、面白いので、あれこれ色んな話に花を咲かせ、いつもの特急列車最終を見送り、じっくり飲むことに。
今日もいい出会いがありました。家で飲み直しながら復習し、明日の授業に向けて添削するエッセイ課題が、真夜中までに出揃うのを待つことにします。