デジタル教科書の弊害

今年度の実習校訪問第一弾。ようやくコロナ対応も緩んできたので、学校にも行きやすくなった。

実習生の授業は、堂々としていて(と見えたが、本人は相当上がっていたらしい)、生徒もよく動いていた。校長先生が英語出身で、校長室にて私と二人がかりで濃密な事後指導。

授業ではモデル音声をデジタル教科書を使って流していたが、その様子を見ていてデジタル教科書をモデル音源に使うことの弊害に気づいた。

まあ、自分の肉声でモデルを示せばよかったのだが、大型モニタに映し出されたデジタル教科書から音声を流したので、一つには操作ミスが起こったり、頭出しに失敗したり。

それはよくある弊害だけど、後ろから生徒の様子を見ていると、本来ならモデル音声を聞きながら手もとの教科書を見ていなければならないのに、ぼうっとモニタを見ながら音声を聞いている生徒が多数。何か映っていればそっちを見てしまうのは無理もない。

映像だけ消せればいいのだが、おそらくはHDMIケーブルで接続して音声もモニタのスピーカーから出しているので、モニタの電源を切ると音が出なくなる。

なぜこれが問題かというと、このように練習をしていると、耳から聞いた音声を、文字を介在させず、ただ口から出すことになり(これを業界用語では「空読み」(からよみ)という)、音読によって音声と文字との結びつきをつけさせるという大事な目標が達成できなくなってしまうからだ。

やはり、教師が肉声でモデルを示す方がいい。

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