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フエ空港到着

(March 11, 2004)

フエ行きの飛行機は、さすが世界遺産に指定された遺跡群があるだけあって、西欧人の観光客もたくさん乗っていた。多くは退職後の旅行を楽しんでいる年配の人々だった。機内では、香港からハノイでの機内でも出されたのとまったく同じ機内食が出された。堅いロールパンにハムとキュウリがはさんであるサンドイッチと、プラスチックのカップ入りミネラルウォーターが入ったボール紙の箱だ。この程度なら、無理して出さないでもいいのにと思いつつも、もったいないので地上に見えるくねくねとうねった川や点在する沼を眺めながら平らげた。
フエ空港に着陸しタラップを降りると、ハノイとは打って変わってむっとして暑い空気がみなぎっていた。バスに乗せられ、「ターミナル」に到着して目が点になった。ターミナルと呼ぶにはとてもおこがましい、バラックというのがふさわしい建物で、広さはテニスのコートより狭く、照明もまともについてないので中は薄暗い。壁面は波形のトタン板が張り付けてある。トイレに入ってピンと来た。これは、米軍が使っていたもののお下がりに違いない。男性の小便器の高さが、身長175センチの私ですら背伸びしないときついくらい高いところにつけられていた。後で知ったのだが、この建物のすぐ隣には、鉄筋コンクリートの比較的立派なターミナルビルを建設中だった。
そんな「ターミナル」の中にも、何と電動のカルーセルがついていた。しばらく待つとカルーセルが回り出し、荷物が出てきた。カルーセル自体は電動でも、荷物を載せるのは人力で、ゴムのすだれの向こうにはせっせと荷物をベルトに乗せる若者二人が見えた。まもなく、荷物が引っかかり、どんどん押し寄せるスーツケースがカルーセルの内部にごろごろと転がり落ちて山になり始めた。そんなことにはお構いなく、若者はどんどん荷物を乗せてくる。仕方ないのでカルーセルを乗り越えて環状ベルトの中に入り、スーツケースを一つずつベルトに戻してやった。何でこんなこと自分がしているんだろうと思いつつも、周りのほとんどは西欧から観光旅行を楽しみに来ている退職老人なのだから仕方ない。
一仕事終え、無事荷物がはけたのを見届けてから外に出た。日差しが暑い。ホテルには迎えの車を頼んでおいたのだが、出口で待ちかまえている現地人が持っている札には私の名前はない。そのまま通り過ぎて駐車場を見ても、それらしい車は見あたらない。仕方ないので適当なタクシーを見繕って値段を聞くと、ホテルまで8ドルだという。高かったが値切る気力もなかったので、そのままおとなしく乗り込んだ。


Posted by Yoshi at 05:38 PM

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