授業が想定しているレベルは自分の現状よりちょっと上回っていたので、果たしてついていけるか懸念していたコミュニティカレッジでの授業が、先日無事終了しました。結果として、自分のレベルに合った、とても学びやすい授業だったと感じました。
最初数回の授業後に感想を書きましたが、その後の授業を振り返りつつ、まとめてみたいと思います。

フィンランドの中学校や大学など校種を問わず、多くの教員に広く浸透している指導技術を駆使した授業だったと思います。日本の教員と比べると、そのあたりの「底力」というか、授業を効果的に行うのに必要な土台の堅牢さを感じました。
以下、授業で活用されていた指導方法やアプローチについて、振り返ってみます。使用教材など基本的な情報に関しては、先日書いた「コミュニティカレッジでの授業開始」という記事をご覧ください。
まず、教科書本文について、PPTにキーワードを提示しながら内容を説明し、該当部分を指名して音読させた後、ペアやグループでスライドの情報を元に本文を再生したり、本文の内容を自分の視点から説明したりする活動がよく行われていました。
日本の英語の授業でよく見られるような、一文ずつ読ませて日本語に訳させて、というやり方とはかなり異なる理解確認のアプローチだと思います。英語も希に補助的手段として使うこともありましたが、基本的には平易なフィンランド語での言い換えや説明を多用していました。生徒が英語に頼ろうとしたときには、逆に「英語はわかりません」とおどけてフィンランド語で説明してみるよう促していたのも印象に残っています。
ただ、一度だけ、本文が妙に長文の章を扱ったとき、時間も限られていたせいか、英語を使った説明がいつもより多く行われていました。十年前に日本の学習指導要領が改訂され、より多くの語を盛り込む必要が出てたことに対応して、各教科書で妙に長文のセクションが増えてしまい、これではかえって従来の訳読を助長するのではないかと懸念され、実際に教室ではその通りになったことを思い出しました。
同じくPPTを使って、本文にできてた内容を活用したコミュニケーション活動もしばしば行われました。スライドにキューとなる語句や絵を提示しながらざっと解説と確認をして、それを元にペアやグループでやり取りする活動です。その間、先生は教室内を回りながら受講生の質問に答えたり、やり取りを聞きながら必要なところで修正をしたりしていました。

PPTの代わりに、印刷してカードに切り出したものを使ったり、語句の場合には短冊に切り出したものを使うこともよくありました。これは一見アナログ的に感じますが、ペアやグループで紙の情報を移動したり並べ替えたりしながら協力して学習できる大きなメリットがあります。デジタルツールを使い始めると、何でもデジタルツールでこなしてしまう傾向がありますが、印刷物の長所を活かした活動だったと思います。

フィンランドの教室には、これもやはり校種を問わず、黒板や白板とは別に、ポスタータイプの大判メモ(これについては過去の記事「Fläppitaulu(フリップボード)」で詳しく紹介しています)が備えてあります。教室前方の白板がスライドで占められていたり、ちょっとしたメモ的なことを黒板とは別に書き留めておいたりできるようになっていて、用紙がいっぱいになったらさっとめくり上げて次の紙に書けるようになっています。めくった紙を元に戻せばすぐに以前の情報を再提示できるので、黒板とは違う利点があります。
また、用紙は新聞紙を広げたくらいの大きさなので、その紙をグループごとに配布して書き込ませるような活動もできて便利です。今回の授業でも、本文をグループごとに割り当て、その範囲について質問を作らせる課題に活用していました。作ったポスター用紙をグループ間で交換して、本文全体の内容を協力して再生する活動としてまとめていました。
