こちらでは、暮らしの中のいろいろなところで、いい意味の「自己責任」に任されていると感じます。各自が自分ができる範囲の中で責任を持つことで、結果的に全体としてより簡単に、時間や金をかけずに、物事がうまく回っているなと思わされるところがあります。

(写真は、隣町Lempääläにあるラウンドアバウト。なぜダーツなのかはわかりませんが、オシャレ。)
日本から持参した常服薬がなくなって来たので、医者に処方箋をもらいに行ったときのこと。フィンランドでは、睡眠薬や精神安定剤のような特殊な薬以外は、だいたい処方箋の有効期間は2年間になってます。つまり、一度診察を受けて処方箋をもらえば、2年間は診察不要です。処方箋も、アプリで確認できて、延長も可能になってます。
医師に、日本では3ヶ月までしか出してくれなくて、3ヶ月ごとに診察しに行かねばならないと話すと、それはそれで患者をしっかり観察できる体制だから、トレードオフだね、という話になりました。患者自身が自分の体調を観察して、必要なら医師にかかればいいし、不要ならそのまま服用をつづければいい、そういう自己責任になっているということです。
スーパーの野菜売り場では、裸の野菜や果物がどっさり並べられていて、自分で状態を確認して好きなだけ買えるようになってます(前回の滞在時に書いた記事「スーパーのラベル印刷機」)。値札に番号がついているので、必要な分を売り場の量りに乗せて番号のボタンを押すと、単価に応じて計算されたバーコード付きの値札シールがペロっと出てきます。それを品物に貼ってレジに持って行くシステムです。
どの品物を選んでもいいと言うことは、逆に言うと自分が責任持って選んだ商品を買うということ。これまた、自己責任に任されているということです。
交通システムについても同様のことが言えます。ヨーロッパではよくあるラウンドアバウトは、信号がない交差点のロータリー。ラウンドアバウトに入る前に先行車を確認し、タイミングを見計らってロータリーに進入、ロータリーを出るところでウインカーを出して自分の進行方向を伝えるというシステムです。聞くところでは、四つ角で互いに直角に衝突するより、仮に衝突したとしても斜め方向なので、衝撃を緩める作用もあるのだとか。これも運転者各自がきちんと自分の責任で運行することが求められていて、結果的に信号だらけにならず、円滑に運行できるようになってます(ま、とはいえ、日本のような激しい交通量ではないので、うまく回っているところもありますが…)。
鉄道でも乗客の責任に任されているところが多くあります。まず、駅やホームは日本のように閉じられておらず、誰でも往来可能で、列車に乗るには自分できちんと切符を購入することが求められます(ほとんどはアプリ上で購入します)。時折切符の確認に回ってくることがありますが、このときに有効な切符を所持していないと罰金が科せられます(現時点では80ユーロ、およそ1万5千円)。駅のアナウンスも必要最低限で、列車の遅延やホームの変更はアナウンスや掲示板で自分で確認することが求められます。