コミュニティカレッジでの授業開始

Ahjolan Kansalaisopistoでの週2回の授業が始まりました。学校はバスと徒歩で市の中心部から30分くらいのところにあって、現存する営業中の最古の公衆サウナRajaporttin saunaのすぐ近くにあります。

これまでの3回の授業の様子と、そこから得た印象をまとめてみます。ちょっと長くなりますが、ちゃんと勉強もしているという証として書いておきます。

(写真は、学校のすぐ隣にある、1972年まで稼働していた鉛砲弾製造塔)

授業の概略

基本的には、教科書の各章読み切りのトピックについて、事前に読んである程度理解したテキストを元に、そこから発展的な課題を授業で展開していく授業です。教材については、「授業の予習」という記事を参照ください。

授業が想定しているレベルはCEFRのA2で(ちなみに日本の英語学習者の7割程度はA2レベル)、私としてはちょっと背伸び気味の授業なので、「授業の予習」で書いたとおり、早くから予習を進めてきました。それがなかったらかなりしんどかったという見方もできますが、逆に授業に参加するにはそのくらいの準備が求められているとも言えます。

まだ3回しか授業を受けていませんが、これまでのところ、大まかな構成としては本文の内容理解確認と、発展練習の二つから構成されています。教科書本文を予習していったことを確認するだけではなく、それを踏まえて発展的な課題に取り組むところが結構チャレンジングですが、読んで理解したことを使って表現するよい機会になっています。

内容の理解確認

基本的には一人数文あるいは1段落読ませて、本文の内容を簡単な語句で解説や言い換えをしてくれたり、動作や実演をしてくれながら内容の理解を対話的に確認していきます。教科書の対話文では、ペアで読みながら、わからないところを確認させたりしました。もちろん、このときにわからないことがあれば遠慮なく質問もできます。日本の教室と違って結構活発に質問が出るので、だいたい不明点は解消されます。予習は必須で、先生もそれを前提に進めています。そのあたりが、語研流のオーラルイントロダクションとはちょっと違うところでしょう。

発展的な練習

本文に出てきた表現を使って、実生活にありそうな例を挙げながら練習やロールプレイをしたり、関連する文脈でペアで対話をしたり、いろいろな課題を先生が提供してきます。関連したトピックで聞き取りの課題などをすることもあります。

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初回授業で扱った、鉄道駅で偶然親戚に出会うという設定の対話では、駅のアナウンスから情報を聞き取ったり、右のような鉄道路線図を使って、ペアで「〜から」「〜へ」という格変化の練習をしたりしました。

2回目の授業は職探しがトピックでしたが、対話に出てきた表現に加えて、職を選択する基準にランク付けをしてペアで話し合ったり、対話中に出てくる発言に対して、どのような反応が考えられるかを共有したりしました(下の画像は、授業で提示されたスライドと、それをGoogle翻訳で英訳したものです)。

第3回の授業では、ガーナ出身の看護学校生が自分について語っているテキストを全員で読みながら、まずは所々難解な箇所に解説を加えつつ、理解確認をしました。続いて、テキストの内容をフィンランドに置き換えながら音読したり、自分に置き換えたりしてパートナーに聞かせるという、内容理解と応用練習を組み合わせた活動で始まりました。

その後の発展的な活動では、短冊を使った課題が二つ用意されていました。一つめは、本文中の文をアレンジした文が書かれた短冊が配られ、それを覚えてクラス内を回って互いに覚えた文を読み上げ、その内容が本文と合っているか、あるいは事実かどうか確認した後、短冊を交換して別の相手を見つけて同様に続ける活動でした。ただTF問題を解かせるだけでなく、それを暗記・音読と組み合わせ、ペアをシャッフルしながら内容を確認したり、関連することについて話したりする機会を提供しているのが工夫された点でした。

もう一つの短冊課題は、本文の内容に関連したオープンエンドな質問が書かれた短冊が手渡され、それを次の受講生に質問、答えについて話し合い、終わったらその短冊を相手に渡して同様に続けるという活動でした。一例としては、本文には主人公が学校を卒業したら祖国に戻って仕事をしてほしいという両親の希望について、「もちろん両親の助言には耳を傾けますが…」という内容の文がありましたが、それを元に「あなたは誰のアドバイスに耳を傾けますか、それはなぜですか?」という質問が用意されていました(もちろん、フィンランド語で)。

質問の短冊は次々と流れてくるので結構忙しく、最初の課題よりオープンエンドなのでちょっと手強かったですが、話題が広がる余地があって楽しい活動でした。本文の内容理解からの積み上げが土台となっているからこそ、それなりにこなすことができるようにデザインされていたと思います。

授業の発展的課題では、もちろん常に完璧な回答やパフォーマンスはできませんが、必要に応じて大きな誤りはその場で訂正してくれたり、的確な表現方法をアドバイスしてくれたりします。完璧を求めるのではなく、徐々に進歩させていくという、日本の教室とはちょっと違う考え方が土台にあるように感じます。

受講生について

受講生のレベルはいろいろのようです(まだちょっと全体は把握できてませんが)。アジア系の受講生も数名、戦争の影響か6年前に比べてロシア系の受講生が増えた印象があります(15名中5名くらい)。ボリビアから移住してきた30代の若い夫婦が一緒に受講していました。その他の受講生はまだよくわかりません。前回滞在時に受講した入門コースと違い、中東系の受講生はごく少数のようで、推測するに、この授業は居住権を得るために必須となるものではないからかもしれません。

初回授業で隣になったのは、ロシア人の受講生。結構フィンランド語の力もあるようで、いくつか助けてくれて、いいペアに恵まれました。二度目の授業では、ベトナムから移住してきた学生さん。みなさん既にフィンランドで仕事をしていたり、学生をしていたりして、数年以上住んでいるようです。

受講生の年齢層は20〜30代が中心のようで、恐らく60代は私だけ。授業で年齢についてのペア活動があったとき、「62歳」と言ったら、相手が間違って聞き取ったか、私が言い間違ったと思ったのか、何度か聞き返してきました。外国語の数字表現はもともと難しいし、フィンランド語では5(viisi)と6(kuusi)が似ているので、結構間違いやすいこともあったのだと思いますが、もう孫もいるし、62で間違いない、と説明したら、40代かと思った、と笑いながら言ってくれました。

授業からの帰り

いろいろな活動がたくさん用意されているので、1時間半の授業時間もあっという間に過ぎていきます。18:30に終了して学校のすぐ前のバス停からバスに乗り、駅で電車に乗り換えのに充分な時間が取れます。最寄り駅に着くのは20時近くですが、この時期だとまだ下の写真のように明るいので気持ちも楽です。秋冬の授業では逆ですけど。

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