腐ったリンゴさらに

どうやら、劣化してきているのは単にジニアスバーだけじゃない。アップル全体が、かつてのような、古い機種も安心して大事に使い続けられ、ユーザ本位の視点でサポートしてくれる企業ではなくなってきたようだ。

かかわっている学会の事務用iMac(Late 2007)が、元気で稼働してはいるものの、かなり老朽化してきたため更新しなければならない状況になった。購入に当たっては、事前にアップルのサポートに電話して、OSX10.5.8と最新版との間で、移行アシスタントが利用可能かを確認した。とてもではないが、さらからセットアップして、ユーザ環境を整えて、アプリのインストール、データ移行まで手動でやっていられる時間がない。

新しいマシンが届き、新旧マシンを同じネットワークにつなぎ、いざ移行アシスタントを起動してみるも、旧マシンのシステムをアップデートしないとできないというエラー。おそらくサポートでインチキ情報提示されたとはわかったが、それを知らせねばあちらのサービス向上(というか、劣化食い止め)は期待できない。

電話してみると、過去の記録も残っていて、そのように案内したことが判明(って、こっちは最初からそう言ってるし、信じてない?)。正しくは、Snow Leopardに格上げしてからでないと移行アシスタントは使えない上、それには二千円ちょっとでOSを購入する必要があると。やばいと思ったのか、第一線の担当者は、上級者に交代。この間、5分程度電話保留。

出てきたTRGEとかいう上級担当、暗〜い無感情な声。ウソついてゴメンという空気はない。

「とりあえずできることは、システムをバージョンアップするか、手動で移行するかの、二つしかないですが、お客様がいずれも拒否されたと言うことなので…」という発言にぶちっ。そもそも、何か他に提案できることがあるかも知れないので上級担当に代わると言って投げ出していったくせに、お客様が提案を拒否という伝達かい??

拒否も何も、あらかじめわざわざサポートに移行アシスタントのことを確認して購入に踏み切り、移行作業の工程を予定しているのに、「いずれも拒否」とは失礼千万。こんなものの言い方して、喧嘩を売りたいのか?

そもそも、もしアップデートが必須だとわかっていたら、その作業を事前に実行すべく工程組んでおけたし、何ならTimeMachineを導入して移行するという選択もできた。腐ったリンゴの言うことを信じてしまった自分を悔やむ。これで出発前の貴重な1、2日が無駄になった。

本当なら、今すぐOSインストール用のディスク携えてすっ飛んできて、バージョンアップまではやれ!と電話口で怒鳴りつけたいところだが、薄暗上級担当とこれ以上話もしたくないし、話しても不快なだけで何の提案もないだろうから、これまで長年アップル製品を愛用してきて、これほど残念な経験はなかった、ということをきっぱり申し上げて電話を切った。

確かSnow Leopardのインストールディスクは、家を発掘すればあるはず。ライセンスもファミリーパックだったと思うので問題ないし、こんな対応されておいて今更ライセンスを尊重する筋合いでもない。

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家で発掘してきたSnow Leopardと、コンビニのレジ近くで罠にかかった、ちっちゃい特濃ミルク。新旧マシン並べて作業開始。

しかし、見つからないという事態を考えると不安が残る。フィンランドに出発する前に残された日数はわずか。少しでも効率よく作業するために、途中下車して、大きなアップルブースがある家電量販店でSnow Leopardが買えるか聞いてみたが、まったくダメ。

ならばと、わざわざ銀座へ引き返し、サエグサビルの本丸へ。銀座線から改札を出て、いちばん近い出口に向かうと、よりによって工事中で閉鎖。

ストアの2階でお揃いTシャツの兄ちゃん捕まえて、Snow Leopardを買い求めたいというと、わかる店員のところに飛んでいって同じ質問。戻ってきて回答伝えるという伝言ゲーム。IMG_5151

イヤな予感が的中。オンラインでは買えるが、実店舗では扱っていない。引き返す途中で、在庫確認の電話を試みたが、ご多分に漏れず混雑していてつながらず。

そのまま引き下がるのは腹の虫が治まらないので、その物知りにいちゃんの方を捕まえて、これまでの経緯を無理矢理聞かせるが、ヘラヘラ顔で立ち去り、俺はポツンと、ヘンなおじさん。

日本橋まで引き返し、樽酒で気分を取り直して帰途に。八重洲のさくら通り、桜のアーチに癒やされる。

続報

Snow Leopardにアップデートしても、移行アシスタントは動作せず。以前は新旧マシンで動くアシスタント同士は認識できていたのが、それもできない状態に悪化。

再び懲りずにアップルサポートに状況を報告すると、「Snow Leopardが動作する最低バージョンだが、動作する場合も、しない場合もある」という驚きの発言。おまえは占い師か?

で、回答がないことはわかった上で、どうすればいいのかアドバイスを求めると、OSをEl Capitanまで上げれば、移行アシスタントが成功する確率は高くなるという返答。「高くはなるが、上手くいくとは限らないのか?」と確認すると、その通りだと。アップデートにまた数時間かかることを考えるとあまり希望が持てる対応ではなさそう。

それ以外にオプションはないのか尋ねると、Time Machineを使えと(つくづく、一般ユーザの自分が思いつく程度の回答しかないのが悲しい)。そこで、「Snow Leopardで移行アシスタントが動作しなかったのと同じようなことが、バージョンが異なるシステムで作成したTime Machineバックアップで起きないのか?」という意地悪な質問をしてみると、「必ず成功するとは言い切れない」と、正直だが、スペシャリストとしては何ともがっかりな答え。

El Capitanのインストールキットも用意してきてはいるが、ここはサクッとTime Machineのバックアップに賭けてみることに。

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