抜かれました

新幹線車内で、網棚においていた鞄の中の長財布から、紙幣だけ綺麗に抜かれていました。きっと、いたずらを企ててある人を驚かせた罰が当たったのでしょう。

以下、何かしらみなさんにお役に立てばと、恥を忍んで私が数万円かけて勉強したことを共有させていただきます。

新大阪に向かう新幹線の中、二人がけの通路側に座り、財布の入った鞄と、土産の紙袋、高価な木の棒が入った長いバッグを、少しでも目が届くように自分よりやや前側の網棚に載せ、パソコンで仕事を始めました。集中できるように、ノイズキャンセリングイヤホンをして音楽を聴いていたのも、振り返れば災いしていたのかもしれません。

東京から名古屋まで隣の窓側に乗車していたのは、のぼーっとした長身のおじさんで、いきなりチョコスナックをボリボリ食べながら、数種類の薬を一粒ずつ、妙に間隔を開けて口に運んでいました。気持ち悪いなぁと思いましたが、その人は名古屋で下車。

名古屋からは、ポリポリおじさんに代わって、初老の感じ良さそうなおばさんが乗ってきました。網棚が一杯で荷物をあげるのに難儀していたので、立ち上がって私の荷物をずらしてあげました。そのとき、自分より前にずらせば良かったものを、空いていた後ろ側にずらし、おばさんの荷物を上げてやりました。04241948_553a1f7215899

新大阪駅で下車すべく荷物を下ろしたところ、鞄の留め具が変な外れ方をしていたのに気づきました。私のバッグは、開閉のバックルに飾りのベルトが付いている造りで、ベルトを外すまでもなく、バックルの金具でワンタッチで開閉可能になっています(製造元サイトの写真)。

この金具のベルトが外れていたのですが、そのときには何かの拍子に外れたのかと、それほど気に留めませんでした。

新幹線を降りて、当座不要の荷物をコインロッカーに預けようとしたところ、伊勢志摩サミット警備のために、改札内のロッカーは全面的に使用停止。駅員に聞いてみると、改札外には使用可能なものもあるとのこと。途中下車して行ってみると、確かに一部は使えました。これじゃ、何のために改札内では全面閉鎖しているのかわかりません。

ともあれ、小銭を出すべく財布を出そうとすると、いつも自分が入れているのとは少し違う入り方で、財布の収まり方にちょっとした違和感を感じました。札が入っているべきところが、一枚も入っておらず、空になっていました。

その瞬間、留め具のこと、財布の収まり方の違和感が、一本の糸でつながり、「抜かれた」と認識しました。前日最後に財布を開いたときの記憶を整理しても、五千円札が二枚は少なくとも入っていたはず。その他、職場に請求する未決済の領収書も一緒になくなっていました。幸い、6万円近くのものは決済に回した後だったので救われました。

神戸での用事を済ませ、新大阪に戻ってきてから被害届を出すべく鉄道警察の派出所に行くと、先客が詰まっていてかなり時間がかかるとのこと。上の階にある別の派出所に行ってみてくれと。

行くと、婦警さんが二人で勤務していました。事情を説明すると、やはり抜き取りの可能性が高いので、被害届を作成してくれ、念のため財布から指紋を採取してくれました。私自身の両手両掌の指紋も採取。これだけで犯人を捜せるわけではありませんが、今後犯人が別件で逮捕された場合、余罪追及が可能になるし、何よりそういう被害が出ていると言うことを記録に残す意味もあります。

三万円と引き替えに、油断は禁物ということを学んだわけですが、この話を聞いてくれた知り合いが、もしかしたらそのおばさんもグルだったんでは?と言われて愕然としました。確かに、単独で犯行を行うにはリスクが高すぎますが、おばさんが荷物移動と荷物の主の確認を手助けし、見張りも兼ねて共謀すれば、リスクを冒さず反抗が可能になります。

人の良さそうなおばさんだったんですが、本当にグルだとしたら、ちょっとショックです。

今後は、荷物を網棚に載せるときには、目が届いているとしても、財布は身につけておこうと思いました。みなさんもご注意ください。

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